発達特性に悩んだらはじめに読む本

近年、学習面または行動面で著しい困難を示すとした児童生徒数の割合が増えています。

これは保護者や教師の特別支援教育に関する理解が進み、今まで見過ごされてきた発達特性のある子ども達により目を向けられるようになったことが一つの理由として考えられています。

そして、療育機関に通所する発達特性のある子の親の73%が「子どもの行動上・生活面・親自身について困りごとがある」と回答しており、「子どもの将来を考えると不安」を75%、「きょうだいへの負担」を28%の親が感じていて、「発達の気がかりが最初に生じた時の年齢」は平均で 1歳、「子育てが一番大変だった時の年齢」は平均で2歳と回答しており、未就学児の頃からケアと支援をしていくことが日々不安や困りごとに直面している子どもや家族にとって重要です。(療育機関に通所する発達障害児の親が感じる困りごととペアレント・メンターへの相談希望に関連する要因 日本ペアレント・メンター研究会 2018 年)

のべ1万組以上の親子の臨床経験、特性のある子の育児実体験をもとにした発達専門小児科医の著書。

発達特性に悩んだらはじめに読む本

発達特性に悩んだらはじめに読む本

  • 著者:西村佑美
  • 定価:1,760円(税込)
  • 発売:2024年9月27日
  • 出版:Gakken

著者である西村さんは、重度知的障害合併の自閉症と診断された姉をもつ“きょうだい児”で、発達特性のある子どもを育てる“当事者ママ”であり、発達特性がある子どもと家族に寄り添いたいと発達専門の小児科医になったのだそうです。

しかし、現実には「勤務医は患者と私情を挟まず、個人的な付き合いをするべきではない」という慣習があり、乳がんで余命宣告を受けた母親に「子ども達が成人になるまで見届けることができない」と相談された時に同じ母親として寄り添う言葉もかけることができないことに憤りを覚え「病院という環境に留まらずママ友のように話しやすく寄り添える存在であるたい」と強く思い、発達特性に悩むお母さん向けの有料オンラインコミュニティ「子ども発達相談アカデミーVARY(バリィ)」を開設、発達専門小児科医としての知識と経験をあわせ、伝えるべき的確な言葉を、相手が受け取りやすい言葉で伝える活動をしています。

自身もイメージ通りに子育てができずネガティブになった時期もありましたが、同じように悩むママとして「育てがいのある子を授かった」ことを誇りに思い前向きに子育てできる価値観が、本書を通じて子育てに悩む多くの人たちに伝わることを願っています。

「うちの子って、もしかしたら発達障害?」「手のかかるわが子を嫌いになりそう」「普通の子のママがうらやましい…」

この本は子育てに、ちょっと困っているママやパパから、子どもの言葉の遅れや困った行動など、大変なレベルで困っている親御さんにも何度でも頼ってほしいと思って作られています。


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