発達障害とは

発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれ、生まれつき脳の働き方に違いがあるという点が共通しています。

幼児の頃から、行動面や情緒面に特徴がある状態であるため、養育者が育児の悩みを抱えたり、子どもが生きづらさを感じたりすることもあるのですが、本人や家族・周囲の人が特性に応じた日常生活や学校・職場での過ごし方を工夫することで、持っている力を活かしやすくなったり、日常生活の困難を軽減させたりすることができます。

得意・不得意の特性と、その人が過ごす環境や周囲の人との関わりのミスマッチから、社会生活に困難が発生し、発達障害は外見からは分かりにくいうえ、その症状や困りごとは十人十色なので、解決方法はひとつではありません。

発達障害のある人は、他人との関係づくりやコミュニケーションなどがとても苦手なのですが、その反面、優れた能力が発揮されている場合もあり、周りから見てとてもアンバランスな様子なため、理解されにくい障害でもあり、いじめなどの問題へと発展することも多々あります。

その行動や態度は「自分勝手」「変わった人」「困った人」と誤解され、敬遠されることも少なくなく、その原因が、親のしつけや教育の問題ではなく、脳機能の障害によるものだと周囲の人が理解すれば、接しかたも変わってくるはずです。

発達障害の人たちが個々の能力を伸ばし、社会の中で自立していくためには、子供のうちからの「気づき」と「適切なサポート」、そして、発達障害に対する私たち一人一人の理解が必要となります。

学習障害(LD)

基本的には全般的な知的発達に遅れはないものの、聞く、話す、読む、書く、計算する、又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指し、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されており、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や環境的な要因が直接の原因となるものではありません。

注意欠如多動性障害(ADHD)

年齢や発達に不釣り合いな注意力、衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業等に支障をきたすもので、通常7歳前に現れ、その状態が継続するもので、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されています。

自閉症

3歳位までに現れ、「他人との社会的関係の形成の困難さ」「言葉の発達の遅れ」「興味や関心が狭く特定のものにこだわる」などの特徴があり、このうち知的発達の遅れを伴わないものを高機能自閉症といい、知的発達の遅れを伴わず、かつ自閉症の特徴のうち言葉の発達の遅れを伴わないものをアスペルガー症候群といいます。中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されています。

トゥレット症候群

チック(突然に出現し、素早く、繰り返される運動または音声)で定義される症候群で、神経発達症に含まれ、多種類の運動チックと1種類以上の音声チックが1年以上にわたり続き、小児期に発症します。治療法が確立されておらず、難治性疾患の1つとされています。

運動チック

突然に起こる素早い運動の繰り返しで、目をパチパチさせたり、顔をクシャッとしかめる、首を振る、肩をすくめるなどが比較的よく見られ、時には全身をビクンとさせたり飛び跳ねたりすることもあります。

音声チック

コンコン咳をする、咳払い、鼻鳴らしなどが比較的よく見られ、時には奇声を発する、さらには不適切な言葉を口走る(汚言症:コプロラリア)こともあります。

吃音[症]

言葉が円滑に話せない障がいで、話を始めるときに最初の一音が詰まったり、同じ音を繰り返したりする言語障がいのひとつで、ほとんどが幼少期に発症するため、小児期発症流暢障害と呼ばれることもあります。


投稿日

カテゴリー:

タグ:

関連記事