一人ひとりの個性に合わせた発達障害の子どもへの接し方が分かる

「どんなときに」「何をしたら」「どうなった」に着目!

発達障害の子どもが増えており、2002年より厚生労働省が行っている「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査」によれば、2006年の時点では、約7000人だった発達障害の児童数は、2019年には7万人、2020年には9万人を超えていて、そのうち通級指導(通常の学級に在籍する子どもに対し障害に応じて行う特別な支援)を受けているのは10%程度に過ぎず、発達障害の子どもの大半が通常学級のなかで集団での学習や活動を強いられ、必要な指導を受けられずにいるのだそうです。

この状況に問題意識を抱いた著者は、通常学級での集団学習になじめず行き場を失っている子どもたちに療育の場を提供しようと、放課後等デイサービスを中心とした教室を全国に展開しており、その教室では子どもたちの個性に合わせた療育メソッドとしてABAを取り入れているのだとか。

発達障害の子どもの「できる」を増やす ABAメソッド

発達障害の子どもの「できる」を増やす ABAメソッド

  • 著者:川村 仁(カワムラ ジン)
  • 発売:2023年7月21日
  • 定価:1600円(税込価格 1760円)
  • 体裁:四六判・並製/196ページ
  • ISBN:978-4-344-94700-9

ABAとは

ABAとは、応用行動分析(Applied Behavior Analysis)のことで、アメリカで発展してきた心理学の分野で、ABAメソッドでは一人ひとりの子どもの行動だけではなく、行動のきっかけと結果に着目し、その子にとって必要なことを一つずつ確実に獲得できるように科学的なアプローチで療養していきます。

著者はABAメソッドを実践してきたなかで、子どもの行動をよく観察し、一人ひとりの課題に合わせた適切な関わり方を続けていけば、子どもの行動をより好ましいものに変えていくことができると信じており、本書では、ABAメソッドについて段階を追って紹介し、最終的に集団での学習や活動に子どもが適応できるようになるまでのロードマップを示しています。

発達障害と診断された子どもやグレーゾーンといわれ集団活動に適応するのが難しい子どもをもつ家族にとって、子どもの「できる」を増やすためのヒントとなる一冊。


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