小中の発達障害、8.8%

通常学級に通う公立小中学校の児童生徒の8.8%にあたる児童が発達障害の可能性があるのだそうです。

これは文部科学省の調査で明らかになった数値で、10年前の前回調査から2.3ポイント上昇し、35人学級なら1クラスに約3人が読み書き計算や対人関係などに困難があるとみられるようです。

このうち約7割が各学校で「特別な教育的支援が必要」と判断されていないようで、文科省は「特別支援教育の知識がある教員が少なく、適切な支援ができていない可能性がある」としています。

小学校で10.4%、中学で5.6%となり、学年が進むごとに割合が下がる傾向が出ているようで、初めて調査した高校は2.2%となっています。

文科省調査

調査は1~2月、公立小中高のうち計1800校を対象に実施され、そのうち1627校の学級担任らが、児童生徒計約7万5000人分の様子を回答しており、学習面では「話し合いの流れが理解できない」「まっすぐ字を書けない」、行動面では「教室で座っていられない」「周りが困惑するようなことも配慮しないで言ってしまう」などに該当するかを尋ねたようで、学習と行動の両面で困難があるとされたのは2.3%となり、男女別では男子12.1%、女子5.4%と、男子が女子を大幅に上回っているようです。

文科省は「保護者や教員の間で発達障害への理解が深まり、以前は「落ち着きがない子」と見過ごしてきたようなケースを認知できるようになった」と分析しており、個別に見ると、LDに6.5%、ADHDに4.0%、高機能自閉症に1.7%が該当し、障害が重複するケースもあったようです。

自閉スペクトラム症(ASD)

  • 話し言葉の遅れ
  • 言語による指示が理解できない
  • たとえ話がわからない
  • 特定の手順の繰り返しにこだわる
  • 興味ある領域に関する膨大な知識

学習障害(LD)

「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」という5つの能力に困難があり、多くの場合、全てではなく、一部の能力だけ困難。

注意欠陥多動性障がい(ADHD)

不注意(集中力がない・気が散りやすい)、多動性(じっとしていられない・落ち着きがない)、衝動性 (順番を待てない・考える前に実行してしまう)の3つの要素がみられる障害。

今回の調査結果から、全国に発達障害の可能性がある小中学生は約80万人と推定され、通級指導などを専門的に担える教員の免許制度を創設したり、支援の予算を増やしたりするなど、国や自治体は抜本的な対策をとるべきだと指摘されています。


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