おもちゃ教材で育む人間関係と自閉スペクトラム症の療育

2024年1月22日に「おもちゃ教材で育む人間関係と自閉スペクトラム症の療育」が発売されました。

おもちゃ教材で育む人間関係と自閉スペクトラム症の療育

おもちゃ教材で育む人間関係と自閉スペクトラム症の療育

  • 白石 雅一/著
  • 定価2,640円(本体2,400円+税10%)
  • B5・244頁

社会性を育む「おもちゃ教材」と療育や支援の事例をビジュアル解説している書籍で、自閉スペクトラム症の子どもが苦手とする対人関係への支援を通して、愛着関係や信頼関係という基本的な人間関係を育み、改善させたり、発展に導くための方法をおもちゃ教材を使った実践事例を用いて、具体的に示した一冊となっています。

一般的に、人間関係は、親(養育者)との愛着関係に始まり、祖父母やきょうだいに広がり、先生や友だちへの信頼関係、そして、親しい人との恋愛関係、夫婦関係へと深まって、発展していき、人の成長・発達とその生涯は、人間関係を抜きに考えられません。

本書では、この人間関係について、見て分かるように可視化をし説明されています。

自閉スペクトラム症の人たちは、対人関係の障害によって、人間関係を結ぶことや育むことを苦手で、対人関係が苦手な分「物との関係」(対物関係)に囚われた生活を送りたがります。

この特徴を踏まえ、おもちゃ教材を用いることで、彼らの対人関係にアプローチし、人間関係の形成を目指す支援を行うのだそうで、具体的には、お母さん・お父さんと目を合わせてくれないのなら、おもちゃ教材を見せることで、親の目にも視線が合うように場面を設定していくことで、呼んでも振り向いてくれない、指差しても見てくれない、ちょうだいと求めても応じてくれないなどの状態に際しては、おもちゃ教材を媒介にして改めて求めてみると、人に応じられるようになっていくのだとか。

これを進めていくと「おもちゃ教材を用いて自閉スペクトラム症の子どもが応じられる課題を設定する」→「その子どもが課題を理解し安心して取り組めるように手本やモデルを見せて」→「分からせて」→「課題遂行を支援し」→「やり抜く体験をさせて」→「達成感を得てもらい」→かつ「自信をもたせて」→「人への愛着関係や信頼関係を築き」→「人間関係を深めさせ、発展させていく(または、修復させていく)」ことになります。

このおもちゃ教材を媒介にした人間関係の形成の流れもイラストを用いて分かりやすく図説されています。

育児も保育も教育も発達支援も放課後支援も「人間関係が基盤にあってこそ、成り立つもの」であり、この観点から本書は、自閉スペクトラム症の子どもとの「対人関係」や「人間関係」で困り、悩んでいる親御さんや保育園、幼稚園、学校の先生、児童発達支援や放課後等デイサービスに関わる支援員の皆さんのために、書き上げられています。 


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