科学で人間関係をラクにする!
思い悩むことがあったら、推量や思い込みではなく、決して嘘をつかない「科学」に頼ってみよう。科学はあなたの陰口を言ったりしない、信頼に足る最高の友人になってくれる。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで生化学の博士号を取得した博士研究員のカミラ・パンさんは、8歳で自閉症スペクトラム障害(ASD)、26歳で注意欠如・多動性障害(ADHD)の診断を受けた方で、日常生活の中で失敗を重ねてきたパンさんの著書「博士が解いた人付き合いの「トリセツ」」が発売されました。
博士が解いた人付き合いの「トリセツ
- 監修・編集・著者名: カミラ・パン
- 翻訳:藤崎百合
- 出版: 文響社
- 発行: 2023年8月3日
- 定価: 1,848円(税込)
- 判型: 四六判、352ページ
- ISBN: 9784866516493
パンさんは、7歳の時に科学に魅了され、科学を人間社会のアナロジーとして用いることで苦手な人付き合いの方法を学んでいったのだそうで、がん細胞にチームワークを学び、熱力学によって部屋が散らかる原因を突き止め、恥ずかしい思い出も深層学習で活用するなど、科学を日常の行動に応用しています。
ほかにも、「波長」が合う人の見つけ方や礼儀作法で失敗しないための「ゲーム理論」など、数々の「実験」を重ねてきたパンさんが、周りと協調しつつ自分らしく生きる方法を科学で解明するなど、当事者の立場で、ロジカルに人間関係の問題を解決していく1冊となっています。
数々の失敗と「実験」を重ねてきた博士が語る、周りと協調しながら、それでも自分らしく生きる方法。
- チームワークは「がん細胞」に学べ
- 部屋が散らかるのは「熱力学」のせい
- 「波長」があう人の見つけ方
- 恐怖を資産に変える「光の屈折」の考え方
- 恥ずかしい思い出も「深層学習」でうまく活用
- 礼儀作法で失敗しないための「ゲーム理論」
「地球での生活が始まってから5年目のこと、私は間違った場所に着陸したのではないかと思い始めていた。降りる惑星を間違えてしまったのに違いない。自分と同じ種と暮らしているのに、よそ者のような気分がしていた。言葉は理解できるのに伝わらない。仲間の人間たちと同じ外見をしているのに、本質的な特徴はまったく違う。……
博士が解いた人付き合いの「トリセツ」より
この宇宙に存在するほとんどすべてのものについて、それを題材とする本があるというのに、私にどうあるべきかを教えてくれる本はないのだ。私が世の中に出る用意を助けてくれる本はなかった。苦しんでいる人がいたら肩を抱いて慰めればいい、他の人が笑っているときには一緒に笑えばいい、他の人が泣いているときには一緒に泣けばいいのだと、教えてくれる本はなかった。」(本文「はじめに」より)